Hello! SOEJIMAです。
みなさん、MMOゲーム(※)で遊んだことがありますか?
※MMOゲームとはMassively Multiplayer Online ゲームの略で、日本語だと「大規模多人数同時参加型オンラインゲーム」と呼ばれます。多くのプレイヤーが同時に存在するオンラインゲームの世界で、他のプレイヤーと交流しながらストーリーを進めていくのが特徴です。
多くのプレイヤーで賑わう広大な世界や、仲間との交流、芽生えていく友情……今回紹介するのは、そんなMMOゲームの醍醐味を一人でも体感できるアクションRPG『CrossCode』です。
後半には開発者さんのインタビューもありますよ。
記憶を失い、喋れない主人公
遠い未来のMMOゲーム「クロスワールド」が本作の舞台。
クロスワールドの特徴はネット上ではなくて、現実の世界で行われているところ。とある惑星の巨大な島が、丸ごとフィールドに設定されており、いろんな町やダンジョンが実在しています。
プレイヤーたちはゲームへログインするために「クロスギア」を装着し、クロスワールドにいるアバター(自分の分身となるキャラクター)と接続します。そして、世界に秘められた謎を解き明かす冒険を体験します。
ある日、クロスワールドに一人の少女「レア」が現れます。
レアは記憶を失っており、喋ることもできません。一体自分が何者で、なぜクロスワールドにいるのかもわかりません。あなたはレアとして、この世界で出会う仲間たちと共に、記憶を取り戻す旅へ出ます。
見知らぬ誰かと、冒険に出ている感覚に
『CrossCode』は、広大なフィールドと100を超える膨大なクエスト、歯ごたえ抜群のダンジョンパズルに30を超えるボスたち、爽快感のあるアクションに90以上の戦闘スキル、そして二転三転するストーリー展開も用意されていて……と、要素がたっっっぷり詰め込まれた贅沢なRPGです。
その中でも、MMOゲームならではの世界観が作り込まれているところに僕は惹かれました。まず印象的なのが、レアがクロスワールドの世界に踏み出すシーン。キャラクターたちの姿でごった返すロビーや広場には、待ち合わせしている人や、ベテランっぽいグループなんかもいて……右も左もわからないけど、なんだか胸が高まるこの感じ! ここでクロスワールドの世界観に一気に引き込まれます。
そして、本作の見どころでもある、レアと他のキャラクターたちとの交流。
物語冒頭で出会うキャラクター「エミリー」は、一緒にパーティを組んだり、同じギルドに入ったりと、いつも頼りになる存在なんです。そんなエミリーがたまにログアウトしてしまうときの心細さや、ログインしてくれた時の安心感……これだよ、これ!この感じがMMOだよ!
徐々にエミリーもレアに、現実世界での悩みを打ち明けてくれるように。
喋れないレアは、身振りや表情で、エミリーの気持ちに応えていきます。
顔も性別も本名も知らない相手、でも、確かに築かれていく友情……この演出がニクい! こうした心の触れ合いによって、見知らぬ誰かと冒険に出ている感覚になっていく。これこそMMOゲームの醍醐味ですよね。
一人だけどひとりじゃない、そう感じさせてくれるクロスワールドの世界へ、ぜひ一度ログインしてみてください。贅沢な冒険があなたを待っているはず。
ちなみに、敵との戦闘やダンジョンのパズル難易度は相当ハイレベル! 特にアクション要素が強いため、初心者の方はぜひアシスト機能も使ってみてください。
制作者に聞いてみよう
今回は『CrossCode』の開発者、Radical Fish Gamesのフェリックスさんにお話を聞きました。
Radical Fish Games:
ドイツを拠点とするスタジオ。12人のメンバーは周辺の国々にも住んでおり、リモートで開発をしている。クラウドファンディングで開発資金を集め、スタジオ初の作品『CrossCode』のリリースを迎えた。
フェリックスさんこんにちは!
まずは、本作を作ったきっかけを教えて頂けますか?
実は、元々いろんなパズルダンジョンを遊ぶRPGを作っていたんです。
でも、プレイヤーにパズルを解いてもらうためのストーリー作りに困っていました。
そこで、MMOゲームの世界でパズルダンジョンを解いてもらうストーリーにしてみると、相性が良かったんです。なぜパズルがあって、なぜパズルを解くのか? それらを全てMMOゲームの設定とすると、説明がしやすかったんです。
MMOゲームの世界にハマって……という訳ではなくて、実際は合理的な理由だったのですね!
きっかけはそうでしたね。僕らはもともと日本のRPGやアクションゲームが大好きで、影響を受けています。『.hack』の世界観や、『ゼノブレイド』の広大な世界を探検する楽しさ。それに『デビルメイクライ』や『ベヨネッタ』のアクションの気持ち良さ。これらの要素を取り入れたかったんです。
確かにアクションの手触り感も、作り込まれているのがよくわかりました!
日本のゲームに影響を受けていたんですね。
そうなんです!もちろん、いわゆるMMOゲームもプレイしていましたし、影響も受けていますよ。クロスワールドには、他のプレイヤーたちが色んな所で集まり、座って喋っている演出がありますが、『ラグナロクオンライン』をプレイしていた経験から来ています。
あの細かい演出がよかったです。
他にも、MMOゲームにいそうな、先輩風をふかすプレイヤーや、運営に愚痴を言うプレイヤーもいて面白かったです。
そういう人いますよね! 他にも、やたらおせっかいなプレイヤーもいませんか?
「シュナイダー」というキャラクターはまさにそれです。ゲーム中にプレイヤーが忘れがちなことを、彼にしつこく喋らせていました(笑)。他にも、途中で二度とログインしてこないプレイヤーもいますよね? そんなMMOにありがちな一期一会も味わえますよ。
喋れない主人公だからこそ、表現できること
レアと仲間たちの描き方には、どんなこだわりがありましたか?
実は、レアの喋れない設定は『大神』というゲームをプレイしたことがきっかけになっています。その主人公が他のキャラクターと喋れなくなるシーンがあるのですが、会話ができないからこそ、主人公の魅力が引き出されていたんです。それが心に残っていて、このゲームでも挑戦してみたいと思いました。
レアは喋れない代わりに、豊かな表情で仲間とコミュニケーションを取るのですが……時には上手く伝わらないこともあります。辛さやもどかしさ、そんなレアの心の中をプレイヤーにも考えてもらうことで、より彼女が魅力的になるんです。
「一体、レアは何を伝えたかったのだろう?」って、一歩踏み込んで考えさせられますよね。この積み重ねによって、レアへの感情移入が増していった気がします。
まさに、それこそレアを通じて表現したかったことでした。
ただし、プレイヤーに考えてもらうばかりだとストレスに繋がってしまうので、表情の使いどころも、細かくバランスを調整していましたよ。
レアの表情にも、そんな意図や細かな配慮があったとは。これを知ってからプレイすると、また別の楽しみがありそうですね。
それでは、今後の展開はいかがでしょうか?
ゲームを最後までプレイしてもらうとわかるのですが、実はいくつかの伏線を残しておいてます。それらを解決するダウンロードコンテンツを開発中ですので、もう少しお待ちください!
それでは最後に、日本のみなさんにメッセージをお願いします。
チームメンバーの多くは、SNES(スーパーファミコン)で日本のゲームをプレイしながら育ちました。私たちが『CrossCode』の開発に踏み切ったのは、その経験によるところが大きかったと思います。
そして今、私たちのゲームが日本で発売されるということで、一つの輪が完成したような気持ちです。日本のゲーム業界に「ありがとう」と言いたい。そして皆さんが、本作を楽しんでくださることを心から願っています!
フェリックスさん、ありがとうございました!
それではみなさん、よいインディーライフを!
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